ITALO OTTINETTI S.R.L., ITALY. PRICE: Lit. 37,000, 19,000

『ズッペリア・ペル・カニ・バッサ(上写真左)&アルタ(上写真右)(ロウ&ディープ・ドッグ・テユリーン[=深皿]』。イタロオッティネティ社製、イタリア。直径25 cm(バッサ=低い方)&16 cm(アルタ=高い方)、高さ8 cm(バッサ)& 14 cm(アルタ)。素材:アルミニウム。価格:37,000リラ(バッサ)・19,000リラ(アルタ)。これはイヌ用のフードや水のためのアルミ製ボウルです。このイタロオッテイネティ社の歴史は古く、1920 年創立。アルミ製のキッチンウエアの老舗です。この会社があるのはイタリア北部、スイスとの国境の近くアルプス南山麓のマッジョーレ湖の畔の町バヴェーノ。湖に面したこの町は高級避暑地として世界中から裕福な人々が優雅にヴァカンスを過ごすために訪れ、また多くの文人や画家達を魅了し続け、愛されてきました。この町で生まれたイタロオッテイネティ社の製品はすべて、無垢のアルミニウムの銀白色がとても清楚で、素朴でシンプルなベイシック・デザイン。私は多くのイヌ用ボウルを見てきましたが、これほどまでに美しいモノを見たことがありません。ところでこのアルミニウムですが、鉄鋼に次ぐ金属として世界第2位の生産量があり、今では私たちの生活には欠かせない金属です。しかしアルミニウムの歴史は意外と浅く、電気物理学者として知られる デンマーク・コペンハーゲン大学のH.C.エルステット教授が、1825年に初めて金属としての抽出に成功し、1886年に チャールズ・マーティン・ホール(米国)とポール・ルイ・ツーサン・エルー(フランス)の二人が、ほぼ同時に電気分解によるアルミニウム製錬法を発明しました。紀元前5000年〜3000年頃から、使われはじめた鉄や銅にくらべると、とても短く、わずか100年の歴史しかないのです。紀元前4000〜3000年から始まった日本の縄文時代。その時代の遺跡に、人と一緒に埋葬されたイヌの骨が発見されたこともあり、当時は犬を飼っていたという説があります。ひょっとしてその時代の飼い犬たちは、縄文式土器で餌や水をもらっていたりして・・・。ふと「イヌモノの三種の神器」とは何だろうと考えると、その一、散歩のリード&首輪、その二、遊ぶためのボールなどのオモチャ、そしてその三は、フードと水の器だと思うのです。どれもヒトとイヌを結ぶ大切な、そして毎日、一生使う道具。これはあくまでも私個人的意見ですが、この3つは良いモノを長く使いたいというこだわりがあります(注:我が愛犬には残念ながらそれはない)。イタロオッテイネティ社の数百種類ある商品の中で唯一のイヌモノであるこの商品は、私のこだわりを十分に満足させてくれた逸品です。でも、でかい・・・。
雑誌『WAN』(ペットライフ社刊)1999年8月号掲載