FAMILY PASTIMES. CANADA PRICE: $19.00

 アドベンチャー・オブ・ハーレー。カナダ、ファミリー・パスタイム社製。素材:紙 + プラスチック 、価格:19ドル。
 これはハーレーという名前の犬が主人公のボードゲームです。箱にはこんな説明が書いてあります。「私たちの農場の犬ハーレーは、車で追いかけなければならいほど走るのがとても速い。(ハーレーという名前はオートバイのハーレー・ダビットソンからとっている) 彼は自分の宝物を隠したり見つけたりするのが大好き。でも途中で出会う動物たちにはいつもドキドキ。・・・今日もハーレーの冒険が始まる」 このゲームの内容は、ハーレーが森、草原、岩場、沼地の4カ所に自分で隠した彼の6つの宝物(小さな骨、大きな骨、ソックス、スニーカー、作業用手袋、ゴミ)をクマ、アライグマ、スカンクなどの動物を避けながら探しに行き、それらを見つけて家に持って帰るというものです。ハーレーの駒を立てる小さなスタンドだけがプラスチックでできていて、それ以外はすべて紙製。ゲームボードやカードに描かれた絵も決して上手とは言えない素朴なもの。「手作りっ」という感じがひしひしと伝わってきます。
 普通ゲームは勝敗を決めるもの。しかしこのゲームはプレーヤー全員がお互い考え話し合いながら協力してハーレーの冒険を手伝うだけ (?) なのです。よく見ると箱には「 A CO-OPERATIVE GAME 」(=協力ゲーム)と書いてあります。コインの裏表で勝敗を決める西洋人にとって、引き分けがある日本のジャンケンはとても不思議なゲームに見えるということを聞いたことがありますが、このゲームには引き分けはおろか、勝ち負けすらないのです。これは珍しい。
 パスタイム社はこのほかにも、協力して山に登るものや宇宙探検をするものなど数々の「協力ゲーム」のシリーズを出していて、ひとつのジャンルとして確立しています。“ PLAY TOGETHER NOT AGAIST EACH OTHER ”子供たちにはお互い対立して戦うのではなく、協力し合うことを遊びの中で学んで欲しいというのがモットーだそうです。
 お互い協力しながら犬を助けるこのボードゲーム、格闘ゲームや敵機を打ち落とすシューティングゲームなどのTVゲームが主流の今、とても新鮮で心温まる感じがします。よく考えると人間と犬の生活も「協力ゲーム」ですよね。
雑誌『WAN』(ペットライフ社刊)1996年8月号掲載