HOUGHTON MIFFLIN COMPANY. U.S.A. PRICE: $ 13.95

 『スリー・ストーリーズ・ユー・キャン・リード・トゥー・ユア・ドッグ』ホートン・ミフリン社。1995 年出版。文:サラ・スワン・ミラー / 絵:トゥルー・ケレイ。縦 22.5 cm × 横 17 cm、48 ページ。価格:$ 13.95。
これはタイトルの通り、「あなたがあなたの愛犬に読んであげる三つのお話」の絵本です。つまり人間が自分で読むのではなく、自分の愛犬に読んで聞かせるための絵本なのです。さらにこの本がおもしろいのは、お話を聞いている自分の愛犬がその物語の主人公になっていることです。あたかも愛犬自身がその中に登場しているように、「アナタ(you)は〜しました。」とか「アナタ(you)は〜と思いました。」とストーリーの主語を“ YOU ”にして書かれているのです。
まず最初のお話は「The Burglar (泥棒)」。ある日昼寝をしていると突然ドアのノックの音が聞こえ、それを泥棒だと思った主人公がドキドキハラハラしてしまうお話。二つ目は「The Bone (骨)」。留守番のご褒美にもらった大好きな骨を庭に埋めたら、たくさんの骨がなる大きな骨の木が生えてくるというお話。三つ目は「The WildDog(ワイルド・ドッグ)」。退屈した主人公はある日“ワイルド”になろうと決心し、家出をしていろいろな経験を積むというお話。
ミラー女史は元教師の作家で夫、六人の子供、そして犬二匹猫二匹と共にニューヨークに暮らしています。またイラストを担当したケレイ女史はこの他にも『 I Really Want A Dog:(私は本当に犬がほしい )』などの犬の絵本を手がけています。
この商品からはアメリカらしい愛犬とのコミュニケーションの方法とそのセラピー(癒し)効果が見えてきます。日本でも自分の犬によく話しかける愛犬家は少なくありません。それは犬が人間の言葉を理解するか否かの問題ではなく、優しく語りかけることが撫でてあげることと同じように犬に安らぎを与え、そして話を聞いている愛犬の顔を見ていると、こちらの心も癒されるからだと思います。
この本のイントロダクションには、次のように書いてありました。「・・この本を読んであげているときは忘れずに撫でてあげましょう。なぜならお話を聞くのと同じくくらい撫でてもらうのが犬は好きなのですから。・・Come here, good dog ! Sit down. Listen up. This story is just for YOU.」
雑誌『WAN』(ペットライフ社刊)1996年2月号掲載