Crown Publishers, Inc. U.S.A. PRICE: $ 19.00

 『アンリーシュド:ポエムズ バイ ライターズ ドッグ』。アメリカ、クラウン出版社。1995年出版。エイミィ・ヘンペル/ジム・シェパード編集。全長:21 cm、幅:14 cm、厚さ:2 cm、175ページ。価格:19.00 ドル。
 これはアメリカの作家たちの“ 犬 ”による詩集です。
 この本のタイトル:アンリーシュド(UNLEASHED)はリーシュ(犬をつなぐ紐)をを放された、つまり「解き放たれた」という意味です。64人の犬を愛する小説家、詩人、劇作家たちが自分たちの“犬の言葉”を聴き、それを書き留めました。この一冊の中には、まさに“解き放たれた”犬たちの自由で直感に優れた感性で語られた“言葉”が詰まっています。この本の出版にはきっかけになったある出来事があります。作家のボブ・シャコキスとマーク・リチャードそしてボブの愛犬フランク(アイリッシュセッター)が、ある新年、フロリダに釣りにでかけ、キャンプファイヤーを囲んで二人が話していたときのことです。愛犬フランクが一片の詩を作りました。そしてその詩はボブにもマークにも伝わりました。『 風 』というタイトルの詩は次のようなものでした。「木の葉−私はそれを鳥だと思った。( Leaves - I thought they were birds )」そしてこの詩には続編があります。『 風 II 』:「タワーレコードの裏にいたこんがらがったカセットテープ。私はそれをネズミだと思った。ネズミだと思った。」このフランクの詩が作家仲間の中で話題になり、このことに触発された作家たちが自分たちの愛犬の“言葉”に耳を傾けました。その中にはアーサー・ミラーやジョン・アーヴィングなど名立たる作家たちもいました。犬と共に暮らしている人なら誰も思うこと、それは「犬たちが何を感じて、何を言っているのか知りたい」。この本はその願いを実現するための文学的試みなのです。
 全ての詩から、それぞれの犬の個性、作家と犬との“良き友”としての関係が伝わってきます。愛犬と正面で向い合い、素直な気持ちで耳を傾ければ、きっと“その言葉”が聞こえてくる− そんな自信を私たちに与えてくれる素敵な1冊です。
雑誌『WAN』(ペットライフ社刊)1995年9月号掲載