ジル・エリオット先生のホメオパシー入門 その2
世界中の愛犬家のみなさんこんにちは。
今回、私はとても哲学的な記事を書くつもりでした。クライアントの一人が数日前の電話をかけてきて、彼の3歳の犬ティトーについてどうすべきか尋ねるまではそう思っていました。ティトーはミニチュア・ピンシャーのミックスです。マーク氏とティトーは田舎の家に出かけていました。庭で遊んだ後、マーク氏はティトーの後ろ足が歩きにくそうなのに気づきました。彼はティトーが何かの中に走り込むのを見たような気がしたので、ケガをしたのではと心配しました。マーク氏はティトーを地元の普通の獣医師のところへ連れて行きました。その獣医師はリマディル(非ステロイド抗炎症剤)を処方しました。彼はティトーに対して何かホメオパシーの手当ができないかどうかと思って、私に電話してきました。私はティトーにアルニカ・モンターナ30Cというホメオパシーのレメディ(治療薬)を4時間ごとに3服、2日間与えるように薦めました。
安全なスタート
アルニカ・モンターナ(レパーズ・ベイン)はよく知られたホメオパシーのレメディの一つです。あらゆる種類の外傷(精神的・肉体的)に主に用いられます。ですから筋肉痛、捻挫、挫傷、創傷に適しています。また、脳や脊髄の損傷にも有益です。
あなたの犬がひどい痛みを感じ触れられることを恐れていて、ホメオパシーの治療を試してみたいという場合、アルニカから始めれば間違いないでしょう。しばしばそんな犬は痛みが強すぎてじっとしているのがむずかしいため、落ち着きがないように見えます。その痛みが深刻なものであるように感じ、痛みが数時間に渡って続くようなら、重傷であるかどうか確かめるために近くの獣医師を尋ねるべきかもしれません。しかしながら、アルニカをすぐに与え始めれば、獣医師のところに着くまでに犬はもっと状態がよくなっているかもしれません。先に述べたように、アルニカは情緒的トラウマにも有益です。この場合でもアルニカがあなたの犬の状態を楽にするかどうか見るために、先に提案したように2、3日間安全にアルニカを用いることができます。
ティトーに薦めたように、2、3日間4時間あるいは12時間おきにアルニカ30Cや200Cを与えることは安全です。私はクライアントたちに「効果が見えたらアルニカを止める」ようにアドバイスしています。1回の服用あるいは数回の服用後に効果が上がったのを見ることができます。でも、レメディがちゃんと働いているなら、通常2、3日間後に犬は状態がよくなっているはずです。(治療していた病状がよくなっているのを見て)レメディが働いている様子に一旦気づけば、それが止め時です。これはまさにそれまでに摂ったレメディがその後も効き続けるからであり、服用を中断するということと同じではないのです。
過ぎたるは及ばざるがごとし
たくさん摂るほうがもっと効くと考える人がいます。ホメオパシーの場合、これは正しくありません。レメディの作用は池に投げ込んだ小石のようなものだと私は考えています。水面を打った小石は、あなたの粘膜を打つ最初の服用に似ています。それから池の岸辺の堤を打つまでの水面のさざ波は、レメディが実際にあなたの身体で作用している様子です。作用が終わる前にまたレメディを服用すれば、(作用し始めようとしている)最初のレメディの作用を妨害していることになります。より深く作用するレメディを用いて治療するときに、この概念はもっと大切になります。このケースのアルニカは、急性症状(外傷を受けて突然起こった状態)を治療するために用いられています。
アメリカでこれらのレメディを手に入れる場合、たいていBoironという会社が作った小さな青い筒に入っています。(また、獣医師はホメオパスを通してホメオパシーの薬局に注文する場合には、プレッツェルに付いた塩くらいのサイズの小さな錠剤を手に入れることができます)Boironチューブのキャップをひねると、錠剤がキャップの中に落ちてきます。それからあなた自身が錠剤に手を触れずに、キャップから直接犬の口に一服分を与えます。私は1回に(コショウの粒のサイズを)2〜3錠与えるようにすすめています。ここでまた重ねて言いますが、過ぎたるは及ばざるがごとしです。1〜3錠が1回の適量です。3錠摂っても服用量を3倍にしているのではありません。私が3錠と言っているのは、そうすれば少なくとも1錠は犬の口に入ってくれるだろうからです。
これらの錠剤は飲み込む必要はありません。ただ粘膜(歯肉)に触れている必要があります。このやり方で錠剤を与えるのが難しいという場合は、犬がなめられるように、テーブルスプーン1杯のバニラ・アイスクリーム、ヘビー・クリーム(乳脂肪分が多いクリーム)、牛乳に入れることも出来ます。レメディは砂糖をベースにした錠剤であるため、こうすれば効果を消すことがないからです。また、ナプキンの折り目に錠剤を入れてつぶし、粉錠になったものを犬の口に入れることもできます。あるいは、その粉をテーブルスプーン1杯の湧水あるいは蒸留水の中に入れ、ティースプーン1杯分を一度だけ犬の口に入れてください。(水に入れた)残りの薬は4時間後に与えるように取っておくことができます。すべてのホメオパシーのレメディは、食餌から少なくとも15分おいて与えましょう。犬の口の中がきれいで、レメディが粘膜に触れることを確かめましょう。
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外科手術後のホメオパシーの働き
ホメオパシーのレメディについてポイントをもう一つ。レメディにはエネルギー力があるとみなされています。ですから、何らかのエネルギー源(例えば、冷蔵庫、電子レンジ、テレビ、携帯電話、コンピューターなど)からは離して保存しなければなりません。上記のものから離れている引き出しの中にしまいましょう。バッグの中に入れるなら、その中に機器類がないことを確かめてください。
私が強くお薦めしているアルニカのもう一つの使用法は、あらゆる小さな手術や大きな手術の後、歯科治療、あるいは肉体を切開したり傷つける処置全般の後に用いることです。アルニカは治癒を早め、浮腫(傷の周囲に体液がたまって腫れる)や傷を軽くします。
私は普段、動物たちができるだけ早く快復するように、アルニカ30Cか200Cを外科手術の後与えます。時には麻酔から覚めつつあるときに与えることもできます。外科手術の後1〜2日間3回服用させることを薦めています。こうすると術後の痛みまでも軽くなることがあることでしょう。
さて、ティトーがどうしているかお知りになりたいことでしょう。ティトーを覚えていますか? この文章をスタートさせてくれた犬です。良くなったとお話しできたらいいのですが。飼い主はアルニカを与え始めなかったことがわかりました。代わりに、翌日ティトーはさらに悪化したように見え、マーク氏は別の地元の獣医師(彼の田舎の家の近く)に連れて行き、獣医師はティトーにステロイドを与えました。2回のステロイドの服用の後、ティトーは全く歩けませんでした。それからマーク氏はティトーを3番目の獣医師のところへ連れて行きました。彼は椎間板に問題があると診断し、外科手術を薦めました。ティトーは10月2日に手術を受けました。彼はまだ歩くことができません。その外科医は、ティトーは快復するまでには長くかかるだろうとはっきりしない予後をマーク氏に告げました。
1回に1つのレメディ
今日私はマーク氏とお話しし、(今一度)4時間毎にアルニカ30Cをできるだけ早くティトーに与え始めるようにお薦めするつもりです。アルニカはきっとティトーを早く快復させてくれると私は信じています。また、神経の損傷に特に効果があるレメディ(ハイペリカム・ペルフォラタム:セント・ジョンズ・ワート)を追加してお薦めするつもりです。アルニカの服用後2〜3日間与え、脊髄の中を通るたくさんの神経が手術前や手術中に傷つけられているという事実に対処するのです。一般に、一度に1つのレメディを用いる方が常により効果的です。上に述べたように、こうすると別のレメディに妨げられずに各レメディが働くようになります。(今後の記事でハイペリカムについては詳しくお話ししましょう)
コンビネーション・レメディについて、ここで手短にお話ししましょう。たくさんの会社がコンビネーション・レメディを広く販売しています。これはホメオパシーのレメディのいい服用法ではないと私を含むたくさんのホメオパスは考えています。多くの場合これらのコンビネーション・レメディでも苦痛を和らげてくれます。しかしながら、コンビネーション・レメディを用いても、どのレメディが自分を癒してくれているのか本当にはわからないし、自分はどのレメディを続けて服用する必要があるかわかりません。
エネルギーのレベルにおいて、あなたは池に一握りの小石を投げ入れ、すべてのさざ波が混ざり合っているようなものです。ですからあなたはどのレメディからも純粋な作用を得ていないのです。それでもただ問題を取り去りたいだけという人は気にしないでしょう。けれどもこれはアロパシー(症状と闘い抑え込む逆症療法)のアプローチです。ホメオパシーを用いているのなら、そしてホメオパシーの哲学(自分でも気づかないうちに私はこの文章にいくばくか哲学を盛り込んでいたようですね)に従いたいと思っているのなら、あなたは問題を抑え込むのではなく、これを限りに完全に直しそうとしていることでしょう。このコンビネーション・レメディを使うということは、おそらく問題を抑え込んでいることになるのです。これは、元来の症状よりもより強い形で症状はぶり返すだろうということを意味します。この考えかたについても、先の記事でテーマにしたいと思います。
私たちはこの限られたスペースでたくさんのことをカバーしてきました。この情報があなたとあなたの愛すべき犬たちにお役に立つことをお祈りしています。どこでホメオパシーのレメディを手に入れることができるのかわからないところにお住まいの場合は、直接販売会社にコンタクトを取ることができます。一晩あるいは数日でレメディは郵送されてきます。
あなたとあなたの犬たちが幸せで健康でありますように。
Happy Tails to all
ジル・エリオット 獣医学博士
Happy Tails Holistic Veterinary Services
New York City, New York
ホメオパシーのレメディを注文できる会社
Homeopathy Overnight, Phone 1-800-ARNICA (276-4223)
RR 1, Box 818, Kingfield, ME 04947
Fax 1-207-265-0029
Shipping charges (to USA): Overnight $9.75; 2nd Day Air: $6.75, Ground: $4.00
Ainsworth Homeopathic Pharmacy. Phone and Info: 011-4471-935-5330
38 New Cavendish Street, London, W1M 7LH, England
Boiron ミ Central Facility, Phone: 1-800-258-8823 (blue-tub)
Beth Niles, Regional Sales Manager/Education
West Coast Branch, 734 Cole Street, San Francisco, CA 94117
Hahnemann Pharmacy, Phone: 1-510-527-3003
828 San Pablo Avenue, Albany, CA 94706
Helios Pharmacy
92 Camden Road, Turnbridge Wells, Kent, Great Britain TN1 2QP
(もしあなたがブリーダーなら、この薬局に興味を持たれると思います。US$35の出産用キットを置いています。このキットには200Cのポテンシー(希釈度)のレメディ35種が入っていて、特に妊娠、出産、誕生、そしてその後のケアに役立ちます。どんなときにどのようにレメディを与えるのかを書いた説明書が入っています)
Natural Health Supply, Phone: 1-505-982-4071; Fax: 1-505-820-2616
Jim Klemmer, Box 6033, Santa Fe, NM 87602
この販売会社は50または100種のレメディが入ったエマージェンシー・キットを売っています。これまでの記事でお薦めした本を買われたことがあるなら、必要になったときにレメディを1つ1つ買うよりも、一度にエマージェンシー・キットを買うことをお考えになるかもしれません。


