ジル・エリオット先生のホメオパシー入門 その1

世界中の愛犬家のみなさんこんにちは。


あなたのコンパニオンに起こるかもしれない、健康上の問題の治療法について、代替医療の観点からお話しする機会を得て光栄に思います。

まずはじめに自己紹介をしましょう。私は獣医学博士、ジル・エリオットです。ニューヨーク市に小さなホリスティック獣医科診療所『ハッピー・テイルズ・ホリスティック獣医科』を開設しています。猫と犬を診療しています。彼らのほとんどはマンハッタンやその他の区のアパートメントに住んでいますが、田舎的なところで一軒家に住んでいるものもいます。こんなことをお話しするのは、彼らのようなコンパニオン・アニマルたちの問題は、もっと田舎に住んでいる動物や主に野外でくらしている動物とは違ってくるからです。

私は2匹の素晴らしい猫とくらしています。ルーシーは15歳のメスの三毛猫(黒とオレンジ)、サイバルは8歳のメスのシルバー・ペルシャです。2頭とも元の飼い主が飼いきれなくなって、私がもらい受けた猫です。2年前に亡くなるまで、自慢の13歳のシルバー・アンド・ブラックのキースホンド、リカティ・スプリット(訳注:全速力の意)の飼い主でした。

私は1995年6月にロス獣医科大学を卒業し、従来の獣医学を実践してきましたが、3年前代替医療の分野を探究し始めました。特にホメオパシーを勉強しました。まず、従来の獣医学では様々な症状に効果があがらなかったときに、自分のコンパニオンにホメオパシーを使ってみました。私の犬はエネルギーを取り戻しただけでなく、慢性病が著しく改善しました。また、治療の偶然の副産物として、生涯持ち続けていた雷恐怖症もなぜか消失しました。

それ以来、私は従来の治療をしてきた患者たちにホメオパシーを使い始めました。そうするとまた彼らの体調は著しく改善されたのです。その多くは、従来の治療法ではほとんど効果があがらなかった患者たちでした。

ホメオパシーやその他のホリスティック療法がもたらしてくれるものについて、このコラムでご説明できたらと思っています。あなたのコンパニオンがより長くより健康的な生涯を送ることを願って。




ホメオパシーと従来の医学はどう違うのか

まず従来の医学とホメオパシーの違いを述べてみましょう。

従来の獣医学は広く実践されている医療の原理に基づいて、アメリカの様々な獣医科大学や他の様々な国々で教えられています。従来の医学はあなたのコンパニオン・アニマルを検査し、医学的な問題の原因を突きとめるために、医学上の型を当てはめます。そのために、診断を下すための分析はもちろん、肉体を検査を行います。検査には、血液検査、尿検査、レントゲン、超音波などがあります。一度診断が出ると、獣医師は抗生物質やステロイドを処方したり、特別な食事療法を指示したり、あるいは外科手術のような医学的介入を行います。これらの処置は下された診断に基づいています。

ホリスティック医学は包括的な言葉であり、鍼療法、ホメオパシー、カイロプラクティックなどのような多様な代替的な治癒へのアプローチを含みます。ところで、これらの療法はすべて、大学院で専門の訓練を受けた獣医師が行えば、信用できる治療法であるとアメリカ獣医学協会は承認しています。これらの治療法の多く、特に鍼療法とホメオパシーは、単独で、あるいは従来の獣医学と協力した形で、世界各地(日本、イギリス、ドイツ他)で実践されています。これらの物理療法についてはすべて、訓練を受けた専門家によって適切に用いられれば治癒が起こっていることが、広い範囲において立証されたことが記録されています。これらの代替療法を実践している資格を持った獣医師たちは、これらの物理療法に携わる前に、長年大学院で訓練を受けています。

一人の消費者として、あなたがホリスティック獣医学あるいは代替獣医学の従事者(プラクティショナー)にお聞きになりたいことの一つは、彼らが行う物理療法について、どんな訓練を受けているのかということではないかと思います。


ホリスティック・アプローチ

ホメオパシーはたくさんの点において従来の医学とは異なります。最も大きく違うことの一つは、患者によって提示されたそのときの病態全体を、プラクティショナーが考慮に入れるということです。これには、患者の精神状態はもちろん、医学的な兆候が含まれます。これらの2つの領域は、それぞれの状態を直す正しい治療法を見つけだすため、大変重要です。ホメオパシーは、従来の診断法に基づいて処方を決めません。それゆえ、プラクティショナーは、同じ肝臓の病気を持つ2頭の犬を診察したとしても、その患者特有の細かな症状によって処方を決めていくでしょう。

例えば、一方の犬は食欲不振を示していますが、のどの渇きはなく、下痢をしていて、短気な性格です。もう一方の犬も食欲がありませんが、とてものどが渇いていて、早朝にひとしきり嘔吐して、常にうとうととしています。従来の獣医師は、ほぼ確実に、この2頭の犬は同じ肝臓の病気であるとして同じ治療を行うでしょう。であるのに対して、ホメオパス(ホメオパシー医)は、それぞれの患者が示している2つの異なる病態に基づいて、2つの異なる治療法を処方するでしょう。

さらに、ホメオパシーは、少しだけ挙げると、恐怖症、分離不安、攻撃性といった性格の障害を治療するのにも用いることができます。従来の医学は、これらの問題を治療するのに症状を抑え込む薬剤を用いるしかできません。薬を止めると、問題行動はたいがい元に戻ってしまいます。ところが、ホメオパシーを使えば、私が自分の犬の雷恐怖症について経験したように、永久的に直すことが出来るのです。

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類は類を直す

サミュエル・ハーネマンというドイツの内科医が、1800年代にホメオパシーを生み出しました。ハーネマン博士はその頃内服薬を研究していました。摂りすぎると中毒になったり命を奪ったりする薬剤なのに、それをごく薄く希釈したものを用いると、治療することが出来るということを発見しました。彼はこのことを「試験」によって発見しました。これらの試験は、これらの治療薬(レメディ)を摂取することによりどんな症状が出るのか調べるために、健康な人たちを対象に行われました。(ここが現代の薬剤を作り出す方法とは全く異なるところです。現代では普通病気の人たちにテストされます)ハーネマン博士は、レメディを摂取することで健康な人々に特定の症状が現われるが、レメディは同時に、同じ症状を示す患者を直すことが出来る、ということを発見したのです。こうして「類は類を直す」という表現が新しく生まれました。(訳者注:例えばある樹皮をなめるとマラリアと同じ症状が出る。しかしその樹皮からマラリアの特効薬が作られている)

従来の医学とホメオパシーのもう一つの違いは、従来の医学は症状を抑えようとしていたということです。従来の医学は、症状が病気であり、症状を抑えれば、病気を直しているのだと考えるようです。実際、従来の医学は病気を抑制することは非常に得意とします。しかしながら、しばしば病気は時間がたってぶり返し、元々の病状よりたいてい悪くなっているものです。ホメオパシーは症状を病気そのものとしてではなく、病気の表現としてとらえます。一人一人が異なった形で病気を表現し、それゆえに異なった症状は、選択すべき正しいレメディを見つける手がかりとして、とても重要なのです。


もっと健康に、もっと幸せに

ホメオパシーは常に、病気を治癒そうとする自分の生命力を患者に用いさせます。一部のケースでは、患者の病状がとても悪くて、治療することが出来ないことがあります。しかし、可能であれば、ほとんどの治療のゴールは常に治癒することなのです。多くのケースでは、完全に直すことが出来ないとしても、患者は気分が良くなり、病気ともっとうまく折り合いをつけることができます。多くの場合、病状は大きく改善し、末期的な病状だった患者は期待以上に長く生きて、その間はより健康でより幸福な状態でいられるのです。

私が先にほのめかしたもう一つの違いは、従来の医学は排泄するのを抑えようとするということです。ところがホメオパシーは穏やかな排泄を促します。ホメオパシーは、排泄は毒素を自ら浄化しようとする体の働きとみなします。これらの毒素が抑え込まれてしまうと、内臓を通して浄化せねばならず、そのうち毒に冒されてしまって徐々に病んでいくのです。

従来の医学とホメオパシーは、病気と治療に対する非常に異なったアプローチの方法なのです。元々相容れないものです。消費者としては、どちらのアプローチが自分のコンパニオンにとってベストか非常に混乱されることでしょう。これはとても大きなテーマであり、このコラムで説明できるほど単純ではありません。ホメオパシーに対するあなた自身の理解を深めるために、何冊か本をご紹介しましょう。そして今後の記事の中で、ホメオパシーの様々な側面、どういう働きをするのか、何ができて何ができないのかなどについてお話ししていこうと思っています。

ホメオパシーは、あなたのコンパニオンに最高の健康状態をもたらすことを目指した、ゆっくりとした穏やかな治療法です。ホメオパシーに加え、治癒のプロセスを助けてくれる最良の栄養摂取についても話し合っていきましょう。国によって食餌は非常に異なっていますが、指針となる考え方をお話ししていくつもりです。

最後に、従来の医学とホメオパシー療法の考え方の違いを、基本としてご理解いただけたらと思います。これからコラムを書くことで、あなたの知識を深めていけることを楽しみにしています。また、ご質問をいただきましたら、いくつかについてはざっとお答えしていくつもりです。

すべてのコンパニオンたちのより幸せで健康な未来にお役に立てることを楽しみにして。

ジル・エリオット 獣医学博士
Happy Tails Holistic Veterinary Services
New York City, New York


参考図書

知識を深めるために下記の書籍を挙げておきます。

Homeopathic Care for Cats and Dogs (Small Doses for Small Animals)
By Don Hamilton, DVM, North Atlantic Books, Berkeley, California, 1999

Natural Health For Dogs and Cats
By Richard Pitcairn, DVM, Ph.D. and Susan Pitcairn,
Rodele Press, Inc, Emmaus, PA, l995

Demystifying Homeopathy
By Jacob Mirman, MD, 5117 France Ave. South, Edina, MN 55410, (1999)
Fax: 612-836-1283;
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http://www.demystify.com
Or just read all on their website:
http://demystifyinghomeopathy.com

Reigning Cats and Dogs (4th Edition) (discusses raw food diets)
By Pat McKay, Oscar Publications, Pasadena, CA 1998